北朝鮮が新型コロナ事態の中でも核兵器の高度化と弾道ミサイルの性能改良に集中していることが明らかになった。国連安全保障理事会(安保理)傘下の北朝鮮制裁委員会が28日(現地時間)、こうした内容の年次専門家パネル報告書を出した。

報告書によると、数カ国は北朝鮮が過去6回の核実験で弾道ミサイルに搭載できる小型化された核兵器を開発した可能性があると評価した。報告書の作成に参加したある加盟国は「貫通支援技術および多弾頭システムを含む性能改良をしているとみられる」と分析した。北朝鮮が核兵器を大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載できるほど小型化するのに成功すれば、核兵器の大量生産も可能とみられる。

北朝鮮制裁委員会は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が5月に開いた党中央軍事委員会第7回第4次拡大会議で「核戦争抑止力を強化し、戦略武力を高度な激動状態で運営する」と述べた点に注目した。

ただ、今回の調査で北朝鮮の代表的な核開発団地である寧辺(ヨンビョン)の5メガワット(MW)原子炉の稼働の兆候やプルトニウム抽出に使われる使用済み燃料棒関連の情報は確認されなかった。その代わり寧辺では実験用軽水炉を建設中であることが把握された。

一方、ウラン鉱山がある平山(ピョンサン)では「イエローケーキ(高濃縮ウランの原料)」生産工場が依然として稼働中と評価された。2018年半ば以降、北朝鮮がプルトニウムより高濃縮ウラン(HEU)方式の核兵器生産に集中していると考えられる。

北朝鮮が2018年5月に「先制措置」として爆破した豊渓里(プンゲリ)核実験場でも、除雪作業や車両の移動など復旧の動きがみられた。

今年3月、北朝鮮は弾道ミサイルの性能改良に集中した。「北朝鮮版ATACMS(エイタクムス)」と呼ばれるKN-24ミサイル試験で、固体燃料推進体を利用した4回の実験で少なくとも8発の短距離ミサイルを試験した。報告書によると、北朝鮮側は今回の実験でKN-24の発射時間を昨年8月10日の20分から今年3月21日には5分に短縮した。

◆新浦でSLBM準備兆候…ICBMのための「シンリ施設」も完成

北朝鮮が新浦(シンポ)造船所でSLBM発射試験を準備する場面も今年5月に把握された。昨年10月のSLBM発射試験当時と似たコンテナとシートが衛星写真で確認された。報告書は「北極星1号または3号ミサイルを保管できる長さ(16-17メートル)」と伝えた。東倉里(トンチャンリ)基地をはじめ、新五里(シンオリ)・嶺底洞(ヨンジョドン)、フェジョンリ、金泉里(キム・ジョンリ)、サッカンモル、上南里(サンナムリ)の6カ所のミサイル関連基地でも活動の兆候が表れている。

平壌(ピョンヤン)順安(スンアン)国際空港から南西側に2キロほど離れたところに新設された「シンリ弾道ミサイル支援施設」に関連する内容も追加された。今年6月28日付の衛星写真で、長さ240メートルのカバーが設置された線路、これと連結した3棟の建物が確認された。この施設は移動式発射台(TEL)または弾道ミサイル組み立てに使用できる巨大な地下坑道(長さ300-750メートル)とつながっていた。

順安国際空港はすでに2017年8・9月の火星12型発射試験当時、すでに弾道ミサイル施設として活用されていた。シンリ施設は火星15型の推進体やエンジンなどを組み立てる施設という分析が出ている背景だ。

◆「北朝鮮の精製油輸入、上半期に上限ライン超過」

北朝鮮の年間精製油輸入限度を50万バレルに制限した安保理決議2397号に基づき、今年7月まで43加盟国が北朝鮮に入った精製油の量を北朝鮮制裁委員会に申告した。

今年は新型コロナの影響で海上物流量が減少し、1-5月の不法納品申告は56件と、昨年(1-3月に56件)に比べて減ったという。にもかかわらず報告書は「流入した精製油は60万バレルから最大160万バレルで、実質的な量は変わらない」と指摘した。

北朝鮮の外貨稼ぎを防ぐため各国は昨年12月末まで北朝鮮勤労者を本国で送還させなければならなかった。北朝鮮が送り出した労働者の中にはサッカー選手も含まれている。カタールのアルドゥハイルでプレーしたが北朝鮮制裁で放出された韓光成(ハン・グァンソン)をはじめ、崔宋赫(チェ・ソンヒョク)、朴光龍(パク・グァンリョン)らも実名が挙げられた。

北朝鮮は外貨稼ぎのためにドイツやブルガリアの大使館を通じて宿泊施設を運営したり、スミッシングなどサイバー攻撃を図ったことが調査で分かった。

国連の制裁を避けるため、北朝鮮のIT労働者が第3国の人の名前を利用して身分を隠し、フリーランサーとして活動しているという指摘もあった。主に中国・ロシア・ベトナムに派遣されて外貨稼ぎをした。10-20人のグループで活動する北朝鮮IT労働者は、1グループあたり月10万ドルの収益を出していることが明らかになった。

◆新型コロナで国境遮断したが…防疫服は米国産?

北朝鮮も新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の打撃を受けた。報告書は「今年1月末から空路と国境の鉄道運行が中断され、南浦(ナムポ)港の船舶運航は1月末に中断されて3月末に再開された」と明らかにした。しかしコロナ以前の水準を回復していない。

こうした中でも海外物資は着実に流入しているとみられる。北朝鮮メディアの新型コロナ防疫活動関連報道で、北朝鮮当局者が3Mとデュポンの防疫服を着て消毒する場面が登場したからだ。両社は北朝鮮制裁委員会に「防疫服が本物かどうかは証明できない」とし「国内法を違反したり制裁対象国に輸出したことはない」と回答したという。

北朝鮮が第3国を通じてメルセデスベンツSクラスのリムジンを輸入する動きも続いている。報告書は、馬息嶺(マシクリョン)スキー場リゾートの前で金正恩委員長と金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の兄妹と推定される「非常に重要な人物(very important persons)」のためのアウディQ7モデルが確認されたと伝えた。

今回の報告書には韓国側の人による北朝鮮物品搬入問題も指摘された。2018年11月に北朝鮮を訪問した世界韓人商工人総連合会所属の企業家が北朝鮮制裁対象に含まれる万寿台創作社の美術品を搬入したことに関してだ。韓国政府は委員会に「一部の会員が国内法違反で起訴されて罰金刑を受けた。詳細な判決内容は明らかにできない」と伝えた。